合掌。
2006年 10月 26日
昭和プロレスを駆け抜けた大木金太郎氏死去の知らせはやはり、ショックでした。
猪木は、ライバルたちに先立たれました。
大木氏のご冥福をお祈りしたいと思います。
以前、大木金太郎さんについて猪木さんにインタビューしたとき、とても印象に残った言葉がありました。
「あの人は韓国人でしたから、よく先輩達にいじめられてたんですよ。食事のときにご飯のついた杓文字でぶん殴られて、パーッと米粒が飛び散って・・・」
この言葉から、猪木さんは、昔のことはあまり憶えてないと言いながら、こと新弟子時代については、その場面に至るまでありありと記憶しているのだということが窺い知れました。猪木さんにとって、大木金太郎さんとの関係も含め、日本プロレス時代は忘れられない青春・・・猪木・大木戦がいまだに観る者の心を揺さぶるなにかに満ちているのは、つくられた因縁の物語を超えた、二人が共に味わった青春時代の苦くて深くて重たい思いが、そのまま観客に伝わったから・・・感情がリアルに届いたからなのだと、私は思っています。
病床の大木金太郎さんを、猪木さんは最近まで度々韓国まで見舞っていたと聞いています。
いま、いちばん寂しい思いをしているのは、きっと猪木さんです。