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数字で読み解くアントニオ猪木 “1、2、3”

 1、2、3といえば「ダーッ!」。

 このいまや知らぬ者のないパフォーマンスは、1990年2月10日の「スーパーファイトIN闘強導夢」のメインイベントの後に初めて行われた。当時、すでに政治家として多忙を極めていた猪木はコンディション不良のまま坂口征二とタッグを組んで蝶野正洋・橋本真也組と対戦。辛うじて試合には勝ったものの、若い二人の容赦ない攻めを受け、鼻血を流して顔を腫らす満身創痍の状態に追い込まれた。

 試合後、猪木がリングアナウンサーにマイクを要求。誰もが引退宣言かと固唾を飲んだ。しかし、猪木の口から出た言葉は「私が1、2、3と言ったら、ダーです。皆さんご唱和ください」だった。緊張が解けた6万人の観客は猪木の「世界が平和でありますように。1、2、3、ダーッ!」の叫びに合わせ一斉に拳を突き上げた。

 以後、「1、2、3、ダーッ!」はアントニオ猪木とファンが一体になるなくてはならない儀式となったわけだが、そもそものきっかけは1989年の関西大学学園祭での講演会で、学生からの突然のリクエストに猪木が応える形で生まれた。多分にセルフパロディ(ギャグ)の要素を含む危ういパフォーマンスだったが、結局、猪木はそれを丸呑みして自分のものにしてしまった。面白いことや人を喜ばせることが何より好きだという猪木の明るさが、このパフォーマンスにパロディ以上の歓びと爽快感を吹き込んだのだ。





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by leicacontax | 2021-03-21 04:12 | プロレス/格闘技/ボクシング | Comments(0)

現実は精巧に造られた夢である。〈長谷川りん二郎の言葉〉


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