腹が立っている。
2006年 05月 31日
格闘家の桜井〝マッハ〟速人選手が道を歩いていて車に接触され、あろうことか逆ギレした運転者に暴行を受けた事件だ。
この事件、自分にも起こりうるだけに怒りも大きいのだが、それ以上に腹立たしかったのが一部マスコミの報道の仕方。最悪だったのが『〝マッハ〟素人に「KO」されていた』という見出し。まるでプロの格闘家が素人に殴られたのが恥ずかしいとでも言いたげなその見出しはあまりにも不愉快過ぎた。
別の新聞のインタビューで、桜井選手は暴行を受けても手出しをしなかった理由をこう述べている。
「自分は道場で子供たちにも教えている立場。格闘家が素人を殴るわけにはいかない。よけたりしても相手を逆上させるだけ。あえて殴られるしかなかった」
『桜井マッハ速人暴行受けてもプライド守る』という正しい見出しを立てた他のマスコミもあるので、それで報道全体としては一応、バランスは保たれた形になっている。しかし、スポーツ新聞とはいえマスコミに変わりはない。他社とは違う立場や切り口で部数を伸ばさなければならないという事情があるにせよ、そもそもがルールに則ったスポーツを取材して世の中に伝える役割のはず。この場合(桜井選手には100%非がない)、桜井選手のプロフェッショナルな対応は称えられても貶められなければならない理由はないだろう。
「素人の一人や二人、軽くひねり潰してほしかった」あるいは「素人のパンチなんか簡単によけきれたのではないか」といった見方は当然あると思う。しかし、それは無責任な空想であり、興味本位にすぎる。現実社会は劇画ではない。
以前、お世話になっている真樹日佐夫先生からこんな話を伺ったことがある。
「〝バウンサー〟(酒場などの用心棒)は、柄の悪い客をつまみだすのが仕事だけども、彼らはほとんど客には手を出さない。興奮している相手を落ち着かせて、出来る限り、穏便に帰ってもらう。そのためにどうすると思う? わざと一発殴らせるんだよ」
とくに海外では銃を所持している相手もいるため、どんなに腕に覚えがあろうと、うかつなファイトは命取りなのだとも教授していただいた。
昨今は物騒な刃物を携帯している輩も街には少なからずいる。狭い道と友人の連れがあったという状況下。桜井選手の判断はまったく正しかった。
こういう事件が起ると、その報道の向こうに世の中の本音が透けて見える。
格闘技は喧嘩。格闘家は喧嘩屋。まだまだ格闘技は競技として認知されていない。
ブームの格闘技はメジャーとマイナーの当落線上。プロレスはそれ以下。マスコミの基準は事実上そんなもの。それが真実であることを、もっと、格闘技界や格闘家は肝に銘じて振る舞う必要があるんです。そこを間違えたら以前のマイナーに逆戻り。忘れてはいけません。
ここ数年は、何があっても所詮あんな大馬鹿が首相でい続けられるような程度の国なんだからと思ってしまう私ですが…。
「KO」記事はデイリースポーツみたいですね。所詮デイリースポーツ…。スポーツ新聞の記事なんて90%はウソだと思って読んでる…と言うと言い過ぎですが(笑)結局何があっても面白おかしく書くことしか考えてない世界ですから…と言ってしまうのも偏見ではありますが…。
正直言ってハッスルと他格闘技を同列に記事にするスポーツ新聞に最近本当に嫌気がさしているもので…。