GAROTA DE IPANEMA(イパネマの娘)/NARA LEAO(ナラ・レオン)
【今日の曲】CHEGA DE SAUDADE(想いあふれて)
「黒いオルフェ」も知らなかった頃、
もちろん、ナラ・レオンがボサノヴァのミューズと呼ばれていたことも知らず、
何気なく調布商店街のレコード屋で手に取ったアルバム。
20年以上昔。まだ、アナログのLP盤だった。
そのレコードは擦り切れ、後年手に入れたCDのディスクまで、
今ではところどころ銀色が剥げている。
〝想いあふれて〟
初めてレコードになったボサノヴァの曲だという。
何十回と読んだはずのライナーノート。あらためて読んで、また頷いた。
だけど、たぶん、この情報もすぐに意味を失う。
ボサノヴァは意味を求めないし主張もしない。
何百回、何千回聴いても、つねに白紙であり続ける音楽。
ボサノヴァとは「新しい波」。
絶えず打ち寄せては砂浜を洗う、
そんな波なのかもしれない。