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夏ノ夜ノ夢

日生劇場で「夏ノ夜ノ夢」(シェークスピア原作)観劇。
大好きな歌舞伎俳優・尾上松緑が加納幸和(花組芝居座長)の演出でシェークスピアをやる。座席も最前列のど真ん中が取れた。至近距離で松緑を観られる! どんな芝居になるかとわくわくして劇場へ足を運んだ。
が・・・しかし・・・惨憺たる出来・・・。
今まで蜷川幸雄演出のシェークスピアをさほど面白いと感じたこともなかったが、
この芝居を観て、あらためて蜷川シェークスピアの凄さを実感させられた。
楽しんでやろうと前向きの姿勢で観ているにもかかわらず、
まったくのせてくれないのだからどうしようもない。しかも、無駄に長い。
歌舞伎の舞台でもつねに透明感のある演技をしている松緑の演じる妖精はハマリ役。
それでも、彼の魅力はついに解き放たれることなく不完全燃焼に終わっている。
演出、脚色、配役、音楽、なにひとつ見るべきところがない(村井国夫、床嶋佳子の両ベテランはさすがに安定した余裕の演技だったが、他のキャストと力の差がありすぎてバランスが悪過ぎる)。芝居の最後の最後、松緑の独り語りの場面だけはぐっとくるものがあったが時既に遅し。
ああ、もっと松緑の芝居が観たかった。
小細工なしの松緑のシェークスピアが観たかった。
カーテンコールが悲しかった。
Commented by ぐっさん at 2006-04-01 05:02 x
全く同感です…残念。
パックのはじけない夏ノ夜ノ夢はあり得ない…
そう思うと、蜷川さんほんとすごい。
バランスってほんとうに大切なんですね。
三枝雄子
Commented by leicacontax at 2006-04-01 18:02
はじめまして。ようこそ、ぐっさんさん。
そうなんです。パックのはじけない夏ノ夜ノ夢などあり得ないんです。
とくに松緑さんの持ち味は、歌舞伎の舞台でも明るさと可愛気にありますから。おそらくはそれを期待して劇場に足を運んだ向きも少なくないと思います。歌舞伎を含めても、まだ彼のよさが生かしきられた作品はほとんどありませんので。加納演出の持ち味もさっぱり出ていなかったですし・・・なんとかいい所を見つけてあげたい気持ちはあっても、この芝居ばかりはホント困ってしまいました。
ぐっさんさん、またいらしてください。

PS お名前が書き込まれていましたので、もしかしてHPかブログが見つかるかと検索したところ、同姓同名の女優さんのデータにヒットしました。失礼ですが、もしかして、その三枝さんですか?(人違いでしたらご容赦ください)
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by leicacontax | 2006-03-10 23:10 | 歌舞伎/演劇 | Comments(2)

現実は精巧に造られた夢である。〈長谷川りん二郎の言葉〉


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