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クールランニング

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トリノオリンピックが終わったら無性にこの映画が観たくなった。
1988年のカルガリー冬季オリンピックに、常夏の島国ジャマイカから初のボブスレー選手団が参加して大活躍した実話をベースにしたこの映画は、明るく、楽しく、観る者をちょっぴりほろりとさせて元気にする、まさにディズニーの王道をゆく作品。
しかし、口当たりのいい感動物語の体裁をとっているが、そこに描かれている五輪の舞台裏はけっこう生々しい。俳優たちのコミカルな演技とテンポのいい展開、太陽の匂いのするレゲエミュージックが、物語の底に横たわる暗く陰湿なテーマ(人種偏見やいじめ。自分たちの優位を保つためにはルール変更も平気でする白人の傲慢)を中和しているのだが、それは子供に読んで聞かせるおとぎ話に、実は巧妙に真実が隠されているのと同じ構造だ。
ともあれ、映画はひたすら楽しくて爽やか。何度観てもわくわくして気分よく泣ける。エンタテインメントを知り尽くしたディズニーマジック! いまだにディズニーランドの土(?)を踏んでいない依怙地な私であるが、この映画は大好きだ。エンディングに流れるジミー・クリフの「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」を聴くと風に吹かれたようにすっきりしてしまう。
クールランニング!(旅に幸あれ)
ひたむきに、ただひたむきに生きればいい。

■クールランニング
1993年/アメリカ映画/ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ製作
ジョン・タートルトーブ監督作品




Commented by pasin at 2006-03-01 11:07 x
この映画は1回しか見てませんが、いい映画でしたね。
この手の映画が陥りがちなお涙頂戴の臭さも無く、清清しい作品でした。
木村さんの評を読んでもう1回見たくなりました(^^)。
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by leicacontax | 2006-03-01 00:58 | 映画/TVドラマ | Comments(1)

現実は精巧に造られた夢である。〈長谷川りん二郎の言葉〉


by leicacontax